北朝鮮のグアム攻撃 可能性は?ミサイル発射で旅行をキャンセル?

北朝鮮 グアム

北朝鮮が米領グアム沖に新型中距離弾道ミサイル「火星12」4発を同時に発射する計画を表明した。

このことを受け、日本政府は12日、中四国4県の陸上自衛隊駐屯地に迎撃ミサイルシステム「PAC-3」などを整えた。

 

これまで北朝鮮は、「火星12型」4発の同時発射を検討し、具体的な飛行ルートを予告。

「日本の島根県、広島県、高知県の上空を通過し、3356.7キロの距離を1065秒間飛行した後、グアム島の周辺30から40キロの海上に落ちるだろう」

 

いつミサイルを発射するかについては「8月中旬までに計画を完成させ、核武力の総司令官・金正恩氏に報告し命令を待つ」として、米国を強く威嚇した。

 

ミサイルを発射に対して日本政府は、島根・広島・愛媛・高知の4県に「PAC-3」やレーダー装置などを運び込んで不測の事態に備えている。

 

さらに、北朝鮮のミサイルやその一部が日本に落下してきた場合、「PAC-3」で破壊する方針だとしている。

 

また、北朝鮮が新型中距離弾道ミサイルを発射する計画を表明したことで、お盆休みにさしかかる旅行客からは、北朝鮮に対する憤りの声が上がっているという。

 

日本の旅行会社は危険性を懸念しているものの、ツアー中止や目立ったキャンセルは出ていなく、「常に安全・安心には注意を払っており、情報をチェックしていく」と話す。

 

Xデーが近づく中、はたして北朝鮮はグアム攻撃を実行するのか?

 

今回は、報道されているニュースから可能性などについてまとめてみた。

北朝鮮のグアム攻撃 可能性は?

トランプ米大統領は北朝鮮がグアム攻撃を検討していることについて、「北朝鮮の指導者がグアムや他の米領、同盟国に対して何かすれば、彼は心から後悔することになる」と述べた。

 

トランプ大統領による脅迫を受け北朝鮮側は、「アメリカの挑発行為が激化した場合に同国に対し開戦すべく、およそ350万人の民兵部隊が用意を整えている」と報じている。

 

また、北朝鮮は当初、新型中距離弾道ミサイル「火星12」4発を同時にグアム沖30~40キロの海上に撃ち込む案を検討しているとしていた。

 

ところが、現在はグアム島にあるアメリカの軍事基地へのミサイル攻撃を決定したと表明。

 

専門家の推測では、北朝鮮の新型中距離弾道ミサイル「火星12」は、アメリカ本土をも射程圏内に捉える能力があるとしている。

 

(北朝鮮がグアムにミサイル発射した場合のルート地図)
北朝鮮 グアム 地図 ルート
出典元:cnn.co.jpより

 

では、北朝鮮のグアム攻撃についての可能性はどう見ているのか。

 

金正恩氏がグアムを敵視するのは、米軍が誇る戦略爆撃機の存在があるからだという。

 

グアムにはアンダーセン空軍基地と原子力潜水艦基地のアプラ港があり、空軍基地には昨年、B―1B、B―2、B―52の3大爆撃機全機種が配備された。

 

B―1Bの能力は、多彩な爆弾を搭載でき、グアムから北朝鮮まで2時間で爆撃できるという。

 

B―2はステルス性能が高く、核爆弾も搭載でき、B―52はじゅうたん爆撃が特徴。

 

北朝鮮が最も恐れているのはB―2に搭載されるバンカーバスターだといい、地上に着弾後、地下20~40メートルまでコンクリートでも掘って、大爆発を起こす。

 

金正恩氏は地中に潜んでいるといわれるが、複数箇所に投下されれば逃げられないと指摘する。

 

北朝鮮にとって脅威となる爆撃機が配備されるグアムの空軍基地をミサイルで叩いてしまおうという計画だが、実際にやってしまえば、反撃されるのは必至。

 

もし、グアム攻撃でもしようものなら、日本や韓国の米軍基地もノドンやスカッドミサイルで同時攻撃するとみられている。

北朝鮮がグアムにミサイル発射したら旅行をキャンセル?

やはり、北朝鮮がグアムにミサイル発射する可能性はないのだろうか。

 

報道によると、米国側は北朝鮮を偵察衛星やグローバルホーク無人偵察機、U―2(諜報偵察機)等で24時間監視している。

 

しかも北朝鮮国内にいるスパイの情報で北朝鮮軍の動き、ミサイル発射の兆候をすべて事前に察知できるという。

 

ミサイル発射しようとしても数時間前には分かるらしく、北朝鮮が本気でミサイル攻撃に踏み切るとなれば、米軍は迷わず先制攻撃に踏み切るといわれている。

 

さらに北朝鮮がグアムだけでなく、日本や韓国の同盟国を狙った場合でも、北朝鮮の動きはすべて筒抜けとなり、米軍の原子力潜水艦や空母からの空爆で数時間には制圧されるとの見解を持たれる。

 

北朝鮮側が先制ミサイル攻撃できなければ、米軍との軍事力の差は歴然。

 

昨年も「グアムを地上から消す」と警告していたが、何もできずにいた。

 

万が一、北朝鮮がグアムにミサイル発射したとしても米国の領土に着弾しないと確信できれば、そのまま海上に落下させることもあり得るという。

 

当初の予定通り北朝鮮が、グアム島から40キロ以内の海上にミサイルを落下させた場合、国際法上、この海域は米国の排他的経済水域だが、米国の領海ではない。

 

最終的に判断するのはトランプ大統領ということになるが、グアムの知事は、突然世界の注目を集めたことを観光の宣伝につなげようとしているくらいだ。

 

北朝鮮の攻撃をあまり危険に感じていないらしく、グアムの住民も「グアムには軍が駐留しているので安全だと思う。島を守ってくれるはずだ」と話す。

 

日本の旅行会社にしても現状は動向を注視している最中。

 

グアムへ向かう旅行客に至っては「年に1回の家族旅行だけにキャンセルは難しかった」と話し、「旅行会社から『危険がある』といわれれば、そのときはもちろん考える」と警戒しているのが現状のようである。

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