コロンバイン高校銃乱射事件 犯人の動機はいじめ?エリックはサイコパスだったのか?

この記事では、1999年4月20日、アメリカのコロラド州で起きた「コロンバイン高校銃乱射事件」の犯人や動機などについて述べている。
「コロンバイン高校銃乱射事件」は、同じコロンバイン高校に通うエリック・ハリス(当時18)とディラン・クレボルド(当時17)2人の男子生徒が犯人。
エリックとディランが校内で銃を乱射。結果13人が命を落とし、24人が重軽傷を負った。
最終的に2人は警察に追い詰められたあげく、自ら命を絶ち事件は解決したのだが、当初犯行の動機は、いじめへの復讐心が募り、衝動的に犯行を起こしたと報道された。
しかし、事件後に犯行計画を綿密に示したメモや映像、日記などが見つかったことから新たな真相が発覚。
物証の結果、犯人の動機はいじめではなく、エリックが精神病質者(サイコパス)だったため、事件を引き起こしたとされた。
結局、この事件は、エリックが飲んでいた薬が影響し、精神状態が犯行の引き金になったという説が浮上しているのだ。
コロンバイン高校銃乱射事件の概要と結末
被害者13人と24人の負傷者が出た「コロンバイン高校銃乱射事件」は、当初の計画では500人の命を一気に奪うというものだった。
エリックとディランは食堂に自作爆弾を仕掛けて爆発させ、できるだけ多くの生徒を標的にし、生存している生徒を狙い撃ちする計画だったという。
事件後、生徒が食堂に集まる人口を分刻みに調べ上げたメモも発見されており、そこには11時14分~15分の間に500人まで膨れ上がることが細かく分析されていたという。
さらに2人は自身の車にも爆弾を仕掛けていた。
理由はやがて駆けつけてくるであろう警察や報道陣を事件に巻き込むためだった。
だが、当日想定外の出来事が起こる。
11時17分にセットしていたにもかかわらず、予定時刻を過ぎても爆弾が起動しなかったのだ。
結局、爆弾不発で計画を変更。銃による大量無差別テロを決行した。
2人は食堂や図書室で無差別に銃を乱射したが、銃弾を放った数は延べで188発にも及んだ。
10名の命が奪われた図書室では、拳銃34発、散弾銃27発の計61発の弾丸が放たれたという。
また、このころ通報で続々と警察が駆けつけていたが、警察は駐車場で負傷者の対応に当たりながら状況の把握に努めていたという。
現場の封じ込めを第一とする正式な手順を守っていたから、誰ひとり現場に踏み込んで犯人を取り押さえようとはしなかったのだ。
図書館で殺りくが繰り返される中、警察官は数十メートルしか離れてないところで聞いていただけ。
犯人であるエリックとディランの顔も分かっていたというのだが、それにもかかわらず警官が突入したのは、このときから30分が経過していた。
事件の結末としては、駆けつけた警察に追い詰められた末、2人が自害して解決したのだが、その後、警察はというと、屋根の狙撃犯がいるとか、銃撃犯が8人いるとか、情報が錯綜してたうえに連絡が上手くいかず調整がつかなかったと弁明したというから信じられない。
コロンバイン高校銃乱射事件 犯人の動機はいじめ?
「コロンバイン高校銃乱射事件」の犯人・エリックとディランの家族構成は、どちらも両親と兄がいる4人家族の次男。
2人の生い立ちも普通のごく平凡な家庭に育ち、学校の成績は優秀だったという。
また、2人が通っていたコロンバイン高校は、スポーツへの奨励に取り組む伝統校で、さまざまな運動部が幅を利かしていたそう。
そのなかでもトップに君臨していたのが主に運動部の生徒が所属する「ジョックス」と呼ばれていたグループ。
ジョックスの一員は白い野球帽がトレードマークで、その行動や服装で目立つ存在だった。
ただ、ジョックス全員が運動部だったわけではなく、他の生徒よりいい服を着ていたり、美人と付き合っていたり、先生に気に入られている生徒なら誰でも仲間に入れたそうだ。
コロンバイン高校にはそういった無言の序列があり、スポーツに興味がなかった犯人のエリックとディランは一番下の変人の集まりという階級に置かれていたのを感じていたという。
実際に、2人はジョックスの生徒から度重なるいじめを受けていたらしく、仲間はずれにされていたとか。
なので動機は、いじめを受けた一部の生徒への報復として犯行に及んだものと報じられたのだが、現実は違っていて矛盾が生じている。
もし、2人がいじめの復讐が動機で犯行に及んだのならジョックスの生徒を狙うはず。
しかし2人はジョックスのメンバーを見つけると、脅しただけで被害を加えていない。
犯人のエリックとディランは「ジョックスの生徒を標的にしたわけではなく、学校そのものに復讐しているようだった」と目撃者が証言しているのだ。
コロンバイン高校銃乱射事件 犯人のエリックはサイコパスだった?
「コロンバイン高校銃乱射事件」の主犯格とされるエリックは、タバコや違法薬物、酒を飲んだりしていた。
同時に「ゾロフト」という抗うつ剤を服用していたことが、血液から検出されて判明している。
一方、ディランしか友達がいなかったというエリックと違って、ディランにはたくさん友達がいたらしい。
だが、2人がいつ出会ったのか、正確にはわかっていないのと、ディランの血液から薬物は検出されなかった。
その代わり、ディランの日記から自死を望んでいたことが判明している。
まったくタイプの違う2人はゲームやパソコンなど共通の趣味があり、親友になったといい、さらに、エリックがサイコパスであった可能性が強く示唆されている。
エリックがサイコパスであるゆえんは、残された日記をプロファイリングし、人物像を分析した結果であった。
エリックは、1年以上前から計画練り続けていて、犯行の1ヶ月前に2人は射撃の訓練までしていたのだ。
2人の日記から世の人類を心から軽蔑していたことが判明し、ディランには自死を望んでいたことが伺えた。
自ら命を絶ちたいと考えるディランとサイコパスのエリックとが致命的な友情に発展したとされている。
また、エリックがゾロフトという抗うつ剤を服用していたが、結局効き目はなかった。
ゾロフトの副作用としては、人によってはかえって神経過敏になり、不安感を生じたり、イライラしたりと落ち着かない気分になることがあるという。
さらに衝動的な行動につながるおそれもあるということなので、エリックの父親はニュースを聞いたとき、息子がやったのではと考えたそうだ。