名古屋闇サイト事件の暗号(暗証番号)の意味と犯人の現在は?
☆この記事はこのような人におすすめです。
・2007年8月に発生した「名古屋闇サイト事件」について知りたい。
・被害者の磯谷利恵さんが犯人に教えた暗号(暗証番号)の意味を知りたい。
・逮捕された犯人の判決や現在について知りたい。
この事件は、犯人の男がインターネットの闇サイト「闇の職業安定所」を介して出会ったことから「名古屋闇サイト事件」と呼ばれています。
被害者は、当時31歳のOL・磯谷利恵さん。
磯谷利恵さんは、帰宅途中に「闇サイト」と呼ばれるネット上の掲示板を通して知り合った男3人に拉致され、命を奪われたのです。
しかもこの事件は、闇サイトで集った男たちによる無計画な犯行で、動機が「金銭目的」という判然としないものでした。
そこで今回は、磯谷利恵さんが最期のメッセージとして残した暗号(暗証番号)の意味や、犯人の現在などについてまとめてみました。
名古屋闇サイト事件を簡単に説明すると
名古屋闇サイト事件は2007年8月24日23時過ぎに起きました。
現場は愛知県名古屋市千種区の路上。
当時31歳のOL・磯谷利恵さんが帰宅途中に白いワンボックスカーから出てきた男に道を尋ねられ、その隙に連れ去られてしまったのです。
磯谷利恵さんを襲ったのは、闇サイト「闇の職業安定所」で知り合った男3人で、初めて顔を合わせてからわずか3日後の犯行でした。
なお、当初から犯人の男らは女性を拉致して、金を奪うことを計画。
しかも犯人は、派手目な女はすぐ金を使ってしまうので避け、「黒髪であまり派手じゃない地味系のOLだったら、たくさん金を持ってる」と考えていたのです。
そして、名古屋市内をぐるぐると移動しながらターゲットを物色していたところ、帰宅中の磯谷利恵さんを発見。
犯人の標的になった磯谷利恵さんは、男らに拉致され、現金とキャッシュカードを奪われたのでした。
その後、犯人の男らは、さらに現金を引き出す為にキャッシュカードの暗証番号を聞き出すものの、磯谷利恵さんはいくら脅されても本当のことを教えなかったのです。
名古屋闇サイト事件の暗号(暗証番号)の意味
磯谷利恵さんの父親は、利恵さんが2歳の時に病気で亡くなっています。
それからは母親の富美子さんが女手ひとつで利恵さんのことを大切に育ててきたそうです。
なので、娘の利恵さんは自分を育ててくれた母親に感謝し、将来一緒に暮らす家を買う為に貯金をしていました。
一生懸命働いて貯めた額は800万円以上。
その預金が入ったキャッシュカードを奪われても、絶対に正確な暗証番号を教えることはしなかったのです。
ちなみに、磯谷利恵さんが事件に遭遇する前、ブログにも母親を思う気持ちが綴られていたそうです。
一方、自分に関しては食べ歩きが好きで、結婚したい恋人が出来たことも書かれていたといいます。
そんなことも知らない犯人たちは、磯谷利恵さんから暗証番号を聞き出し、キャッシュカードで現金を引き出そうとするも、案の定「暗証番号が違います」というメッセージが出るばかり。
結局、現金を引き出すことが出来なかったので、磯谷利恵さんの執念が実ったのです。
では、犯人に教えた暗証番号は一体何だったのか。
脅されたときに犯人に教えた暗証番号は「2960」。
この嘘の暗証番号は、数字の語呂合わせが好きだった磯谷利恵さんが犯人に向けた暗号でした。
暗号「2960」の意味は”憎むわ”。
恐怖の中でも最後まで自分を保ち続けた利恵さん。
このメッセージともとれる暗号「2960」は恋人が解読したといい、母親と5歳年下の恋人に「後を託す」という意味も込められていたに違いありません。
名古屋闇サイト事件の犯人の判決
ネット上の闇サイトで知り合った男らによって起きた「闇サイト殺人事件」は、翌日の8月25日に急展開を迎えます。
闇サイトで仲間を集った張本人である川岸健治が、愛知県警に犯行をほのめかす電話を掛けたことによって事件が発覚。
そして、川岸健治は名古屋市緑区内で逮捕されたのです。
一方、共犯者の神田司と堀慶末もその後に逮捕され、平成21年3月18日、名古屋地裁で裁判が開かれます。
下された判決は神田司と堀慶末に死刑。
警察に電話を掛けた川岸健治に無期懲役の判決が下されたのでした。
なお、無期懲役の判決が下された川岸健治に至っては、警察に連絡したことが自首と見なされたわけですが、神田司は即日控訴。
しかし、控訴は取り下げられ、死刑が確定したのです。
名古屋闇サイト事件の犯人の現在
名古屋闇サイト事件の犯人の現在ですが、結論から言うと、神田司は2015年6月25日に死刑が執行されました。
一方、堀慶末と川岸健治に至っては現在も服役中です。
それにしても神田司という男は、代理人が開設したと思われるブログに、反省どころか被害者を誹謗中傷することが書かれていたといいます。
しかも、闇サイト事件を実行する前はオレオレ詐欺の常習犯。
余罪があった神田司は、闇サイト「闇の職業安定所」に「以前はオレ詐欺をメインにしていたのですが貧乏すぎて強盗でもしたい位です」というメールを送っていたのです。
そして、もう1人死刑判決が下っていた堀慶末ですが、平成23年4月12日、名古屋高裁はあろうことか死刑を破棄し、無期懲役を言い渡したのです。
更正する余地があるとしての判断だったようですが、堀慶末はその後、愛知県碧南市で起きた事件に関わっていることが発覚し、再逮捕。
同じように人の命を奪ったこの事件は、現場に残されていた唾液から検出されたDNAが掘慶末のDNAと一致。
堀慶末は「名古屋闇サイト事件」の前に余罪があって逃亡中だったのです。
そして、平成27年12月に堀慶末は、名古屋地裁から愛知県碧南市で起きた事件の判決で死刑が下ったのでした。
なお、無期懲役囚が別の事件で死刑判決を受けるのは異例で、弁護側が控訴。
しかし、この公判では「名古屋闇サイト事件」は審理の対象になっていません。
その為か、堀慶末はまだ死刑が執行されず、現在も服役中の身です。
あと、無期懲役の川岸健治も現在は、岐阜刑務所に収監されているようです。