ゲド戦記の声優がひどい?あらすじの違いに原作者が激怒か!?
☆この記事はこのような人におすすめです。
・2006年に公開されたジブリアニメ映画「ゲド戦記」の声優について知りたい。
・映画「ゲド戦記」のあらすじを知りたい。
・原作との違いを知りたい。
アニメ「ゲド戦記」は宮崎駿監督の息子・宮崎吾朗氏が初めて制作することになった作品で、原作者のアーシュラ・K・ル=グウィンの同名小説を元に映画化されました。
そんな「ゲド戦記」は、もともと原作のファンだった宮崎駿監督が、「風の谷のナウシカ」よりも前から原作者に映画化の許可を申し出ていたそうです。
しかし、当初は突然の申し出だったため断られていたのだとか。
それでも、諦められない宮崎監督が原作者のところへ直接出向いて説得。
その結果、ようやく先方側からOKの返事をもらったのだそうです。
そんなこともあって出来上がった「ゲド戦記」は、公開されると観客600万人超えを記録。
しかし、声優に対する評価は厳しく、2006年に公開された映画の中で「一番ひどい」と駄作のレッテルが貼られることに。
あらすじに関しても「原作の一部をつなぎ合わせたものになっていて、まったく別の作品になってしまっている」と原作者が激怒しているそうです。
なお、原作本「ゲド戦記」は、「指輪物語」、「ナルニア国物語」と並ぶ世界三大ファンタジーと言われています。
その物語がアレンジされて違う作品になってしまったことに、原作を知るファンからも「これはひどい」と駄作の評価が下っているそうです。
そこで今回は、アニメ「ゲド戦記」の声優が「下手でひどい」と言われている原因や原作との違いをまとめてみました。
ゲド戦記の声優がひどい?
ジブリアニメ映画「ゲド戦記」は、宮崎吾朗監督が初めて手掛けたファンタジー作品。
宮崎駿監督の息子である吾朗氏は、スタジオジブリに入社するまでは公園を造成・開発する建設コンサルタントでした。
そして1998年、東京・三鷹にあるジブリ美術館の総合デザインを手がけているときにスタジオジブリと縁が出来て、2001年から4年間、館長を務めたのです。
その後吾朗氏は、父親のパートナーである鈴木敏夫プロデューサーに勧誘され、「ゲド戦記」を制作することに。
しかし出来上がってみると、声優や中身に対する評価は散々で、「ひどい映画」とまで言われてしまったのです。
ちなみに宮崎吾朗監督自ら「ゲド戦記」の声優を抜擢したそうです。
起用されたのは、主人公・アレン役・V6の岡田准一、少女・テルー役・手嶌葵、ハイタカ(ゲド)役・2014年に亡くなった菅原文太氏。
自分が起用した声優が原因で「ひどい」とののしられた宮崎吾朗監督でしたが、5年後には再び岡田准一、手嶌葵といった同じ声優を使って「コクリコ坂から」を制作しているのです。
その「コクリコ坂から」は1960年代を背景にした少年少女のラブストーリー。
ここ数年のジブリ作品では、プロの声優を使うのではなく、タレントなどの著名人を起用することが多々あります。
そして、そのことが原因で、声優に関しての評価が「ひどい」と言われ続けているのです。
※ゲド戦記の声優一覧
アレン/岡田准一
テルー/手嶌葵
ハイタカ(ゲド)/菅原文太
クモ/田中裕子
国王/小林薫
王妃/夏川結衣
女主人/倍賞美津子
テナー/風吹ジュン
ウサギ/香川照之
ハジア売り/内藤剛志
2人組の中年女性/梅沢昌代、神野三鈴
ルート/飯沼慧
船員/宝亀克寿、白鳥哲
船に乗っていた風の司/加瀬康之
国王の家臣/阪脩
王宮の侍女/八十川真由野
ウサギの部下/西凛太朗
ゲド戦記のあらすじに原作者が激怒?
「ゲド戦記」のあらすじは、少年・アレンと少女・テルーが光を取り戻していくファンタジー物語。
突如人間界に現れた竜により、世界の均衡が崩れ落ちます。
そんな災いの原因を探る旅をしていた魔法使いのゲドは謎の影に怯え、 国を出た王子のアレンと出会い、2人は人身売買が横行する偽りだらけの街にたどり着く。
ところが、アニメ「ゲド戦記」は、原作本『ゲド戦記』の3巻「さいはての島へ」、1巻「影との戦い」の要素を加えただけの作品になっています。
結果、アニメ「ゲド戦記」は、5巻と外伝を合わせた6巻まである長い物語の原作に対して、「適当に作られている」と原作者が激怒しているのです。
※原作者のコメント
アメリカと日本の映画製作者はどちらも、名前といくつかの考え方を使うだけで、わたしの本を原作と称し、文脈をあちこちつまみ食いし、物語をまったく別の、統一性も一貫性もないプロットに置き換えました。これは本に対する冒涜というだけでなく、読者をも冒涜していると言えるのではないでしょうか。
しかもアニメ「ゲド戦記」は宮崎駿監督の「シュナの旅」をミックスして作っているため、あらすじのわかりにくい部分が多くなっています。
要するにアニメの方は言ってみれば別作品。
ゲド(ハイタカ)の人生がどう繋がって行くかなど、原作本を読まないと理解しにくいかもしません。
そこで、原作本の1巻~6巻までのあらすじを簡単にまとめたものがあったので、ぜひ読み比べてみて下さい。
原作のゲド戦記のあらすじ
※第1巻:影との戦い
この物語は、アースシーの島々を旅するハイタカ(ゲド)が主人公。
彼は、ゴント島で生まれ、幼いころから魔法の能力に優れていた。
魔法使いオジオンのもとで修行を始め、師匠から真(まこと)の名“ゲド”を授かった。
その後、さらに魔法を極めるため、ローク島にある魔法学院に進むが、そこで禁じ手の魔法を使い、死霊を呼び出してしまう。
驚いた学院長は、自らの死と引き換えに死霊を沈めるが、現世に放たれた死霊は“影”のような存在。
けっして消えることがないとされ、これを機に、ゲドは得体の知れない“影”に付け回されることになる。
心身ともに傷つけられながらも、“影”と対決をすべく、その行方を追うゲドは、旅の途中、学院時代の友人カラスノエンドウと再会し、さいはての外海へと船を出す。
やがて、再び“影”と対面した彼は、その驚くべき正体を知るのだった。
※第2巻:こわれた腕環
カルガド帝国のアチュアン島。その島の太古の神々をまつる墓所に仕える、新たな大巫女(みこ)に選ばれた少女テナー。
大巫女に選ばれたその日から、故郷や家族、名前さえも失うことが運命付けられていた。
カルガド語で“喰らわれし者”を意味する「アルハ」を名乗り、聖地アチュアンの墓地を守る役目に就いた。
そのころ、魔法使いのゲドは、墓地の地下に広がる迷宮にやって来た。
アースシーに平和をもたらすエレス・アクベの腕環の残り半分を探すためだ。
盗人として捕らえられたゲドは、アルハに対して、外の世界の素晴らしさ、そして、本来の名前であるテナーを取り戻すべきだと訴えかける。
巫女として、ゲドを殺すか、それともテナーとして、新しい人生を歩むのか。アルハの気持ちは大いに揺れる。
※第3巻:さいはての島へ
ある日、北の地からアレン王子が、ローク魔法学院の学院長で大賢人となったゲドを訪ねてやってくる。
魔法のパワーが世界から消えつつあるというのだ。
早速、その原因を探るため、旅立ったゲドとアレンは、麻薬がはびこる退廃した南の町ホート・タウンで、ウサギと呼ばれる元魔法使いにだまされ、奴隷として売り飛ばされそうになる。
辛くも難を逃れた2人は、オーム・エンバーという名の竜から、魔法の衰退には“ハブナーのクモ”という魔法使いが関係していると聞かされた。
死の世界へと逃げ込んだクモを追い詰めたゲドとアレン。
そこで明かされる、アースシーから魔法が消える理由とは?
※第4巻:帰還
かつてゲドと冒険の旅に出たテナーは、ゴント島の農園でテルーという名の少女を養女として迎え入れる。
テルーは、父親らに虐待され、顔に大きなやけどを負っていた。
ある日、西の空から、カレシンという名の竜が飛んできた。
その背中には、クモとの死闘で動けなくなったゲドの姿があった。
テナーの手厚い介抱のおかげで回復したゲドは、ロークには戻らず、ゴント島でテナーらと暮らすことに。
テナーに反感を抱いている魔法使いのアスペンらが、3人の平穏な生活を乱そうとしたとき、空から再び、カレシンが現れる。
そして、カレシンと少女テルーの知られざる関係が明らかになるのだった。
※第5巻:アースシーの風
毎夜、夢の中で亡き妻から「死の世界の石垣を取り払い、わたしを助けて欲しい」と訴えられ続けた修理屋で、まじない師のハンノキは、その悪夢に思い悩み、大賢人ゲドに助言を求める。
クモを倒したことで、バランスを取り戻したはずの死の世界で、何が起こっているのか?
気がかりになったゲドは、ハンノキにレバンネン王(かつてのアレン)らに会うように進言する。
一方、西の海では竜が暴れるようになり、その被害が拡大していた。
レバンネンたちは、ローク島にある、まぼろしの森を訪れ、そこで竜が暴れ出した原因と、ハンノキの夢に現れる死の世界に関係があると知る。
※第6巻:ゲド戦記外伝(ドラゴンフライ アースシーの五つの物語)
ウェイ島に住んでいる少女トンボは、村のまじない師から“アイリアン”という真(まこと)の名を授かった。
そのうわさを聞きつけた若い魔法使い見習いのゾウゲは、トンボにローク魔法学院に行くようそそのかすと、一緒にロークへと旅立った。
しかし、その本当の目的は、かつて自分を破門した学院に対して復しゅうすることであった。
そんな彼を許して、学院の門をくぐろうとしたトンボだが、“女人禁制”を理由に入学を断られてしまう。
やがて、学院内の権力抗争に巻き込まれたトンボは、魔法使いトリオンと対決することに。
そこで、トンボの正体が明らかになるのだった。
出典元:シネマトゥディより